3月27日は第6回定期演奏会の開催予定日でした。
この日、私たち浦安ユースオーケストラは「総仕上げ演奏会」というかたちで団員たちのこれまでの成果を発表する場を作りました。
総仕上げ練習本番開始

場所はいつも定期演奏会を開催している文化会館大ホール。保護者の方にお配りするパンフレットを作り、リハーサル練習を行い、お昼休憩をはさんで発表に臨みました。
プログラム
この日は本当の定期演奏会のようで、団員たちはとても充実した時間を送ることができました。

少し長いですが、今回はこの日の様子をお伝えします!
団員たちがあつまりました
団員たちが文化会館大ホールに集まりました!
なんだかこの光景が嬉しいです。

そして練習の開始前に、コントラバスの団員から、仲間の団員たちにステキなメッセージが贈られました!
コントラバス団員あいさつ
「みなさんお元気でしたか?コロナの影響で今日は定期演奏会ができるかどうか、というところでした。結果として定期演奏会はできなかったけれど、総仕上げ練習会という形で演奏することができるということで、今回は事務局の人だったり、文化会館の人だったり、毎週毎週教えてくれる講師の方々の協力があってのことだと思います。じゃあ、自分たちがその人たちにどうお礼をすればいいかということですが、それは自分たちが楽しく演奏することでしかないと思います。それから、保護者の方に『ありがとう』ということも、それ自体は一瞬かもしれませんが、保護者の方にとっては嬉しいことだと思います。とにかく、まず自分たちが楽しく演奏するのが一番のお礼になると思うので、今日は好きなだけやりましょう!」

この言葉に感動しました。
団員たちが楽しく演奏する姿を見ること、その演奏を聴くことが、私たち大人にとって一番うれしいことです!

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練習が始まりました。
練習小松先生1
今日の指揮と指導をしてくれるのは小松先生です。
早速「カルメン」の演奏です。
練習2
練習のはじめから、その響きに驚きました。
これぞオーケストラの音色、そして迫力です。
やはり文化会館の大ホールという場所で聴くユースの音は格別です!
練習
「あたまは素晴らしいけど、ちょっとメロディが聴こえないね。1発目、ウッタカタカタカ、アクセントを入れて!」
指導が始まりました。
「トリル頑張って!クレッシェンド入ってかまいません」

演奏すると・・・
演奏すると
「すばらしいです!」

「弦楽器のみなさんで、チェロ休み、コントラバスあり、ティンパニありでお願いします」
順調に練習が進みます。
ホールでの練習は響きが良く、聴いているほうもその音や迫力に魅了されます。
指導1
「Hダッシュはみんなでピアノを楽しむところです。いかに小さい音が出せるか。ピッチカートのチェロ、とてもしゃれてますね!」
「8つ前。ピッチカートが素晴らしかったですね。みんなでチマチマっとした感じが素敵ですね」

この日演奏する曲の練習がすすみ、ルスランです。
早い箇所も
早い箇所も、団員たちはクリアしています!

そして・・・
手をあげて
「アンケートです!もっと早いほうがいい人!もっとゆっくりしたい人・・・」
結果は・・・
もっとゆっくりしたい人、に多くの手が!(笑)
「この曲は本当はすごく早いんです(笑)。今日の2拍子の感じを失わないでください」
時間をすぎても
練習は時間を少し過ぎても行われました。
小松先生による妥協のない練習でした。
団員たちもその思いにしっかりと応えていました!

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休憩をはさみ、「本番」です。
保護者の方、ご親戚の方が演奏を聴きに来てくれました。

団員による挨拶です。
団員2人あいさつ
「保護者の皆さま、関係者の皆さま、2021年 総仕上げ練習会にお越しいただきありがとうございます。本来なら本日は第6回定期演奏会の予定でしたが、中止となってしまいました」
団員からは、コロナ禍でできることをしてきたこと、トレーナーやシティオーケストラの方、保護者の方たちの応援があってこの総仕上げ練習会が実現したことへの感謝と喜びが伝えられました。

演奏スタートです。
◆最初の曲はミハイル・グリンカの歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲です。
ルスラン
コロナ禍で自宅練習を余儀なくされてきた団員たちでしたが、その演奏は、合奏練習を思うようにできなかったとは思えない仕上がりでした。
団員たちの努力と、団員たちを支えてきた大人たちの想いが伝わってきました!

曲が終わり・・・
1.2曲解説
「ヨーロッパでは1600年くらいからクラッシックの形式ができあがってきましたが、そこから100~150年くらい遅れてロシアの音楽がどんどん盛り上がってきました」
小松先生が、ロシアの音楽はメロディの美しさにつきること、グリンカという作曲家がロシア音楽の基礎を築き、チャイコフスキーなどののちの作曲家に大きな影響を与えたことなどを話してくれました。

続く2曲目の鍛冶屋のポルカについては、曲中で「鍛冶屋の鉄の音」が表現されていることに言及し、シュトラウスが曲に”鳥の鳴き声”や”列車の音”などの「情景」をそのまま入れる作曲家であることを教えてくれました。

曲の背景や音楽の歴史、作曲家の特徴を知ると、もっと音楽が楽しめますね!

◆2曲目、ヨーゼフ・シュトラウスの「鍛冶屋のポルカ」が始まりました。
鍛冶屋3
とても息の合った演奏でした。
鉄のかたまりをハンマーで叩く、カチカチともカンカンとも表現できる響きがとても楽しく、耳なじみのあるこの曲を純粋に楽しむことが出来ました!

◆3曲目はジョルジュ・ビゼーの歌劇「カルメン」組曲より、です。
<セビリアの闘牛場>
セビリア闘牛場
「カルメン」はプロスペル・メリメの小説を原作とする歌劇で、この日団員たちは「闘牛士」「ハバネラ」などの主要曲、8曲を演奏します。

「カルメンはやんちゃ気ままな娘で、ホセがこのカルメンに恋をします」
小松先生がカルメンの物語を、曲が始まる前、そして曲と曲の間に話してくれました。
Slide1
気ままに生きるジプシー、カルメンに恋をする衛兵の伍長、ホセ。ホセには婚約者ミカエルもいます。
しかしカルメンは闘牛士のエスカミーリョと恋に落ち、ホセは捨てられてしまいます。
「カルメン」はこの4人が中心となって物語を作っていく歌劇です。
カルメン演奏
第一幕への前奏曲です。曲は誰もが聴いたことのあるもので、団員たちは見ごとにこの曲を演奏しました。迫力も十分です。続く不穏な出来事を予感させる演奏もステキでした!(曲編成はユースオリジナル)。
carmen1
身内だから言うのではないのですが、いいな~という演奏でした!

次の3曲に入ります。
「カルメンは私の大好きな曲です。ここから物語に入っていきます」
と小松先生。
カルメン解説
「衛兵の交代」では警察官であるホセのお勤めの交代をトランペットが表現していること、「ハバネラ」では自分の恋に関して、”私は気ままな女で誰の物にもならない”というカルメンの声にホセが惹かれていく様子、「闘牛士の歌」では、恋敵のエスカミーリョの闘牛士としての様子を表現していることを小松先生が教えてくれました。

演奏が始まりました。
carmen3
ピッコロの軽やかな高い音から始まり、他のパートが徐々に加わって、曲が盛り上がっていきます。続く2曲目では抵、高の弦の調べが、管の音とともに少しずつ開けていきます。最後の曲では躍動感のある演奏とトランペットの響きに感動しました!

そしていよいよ演奏も終わりに近づいてきます。

次なる2幕と3幕の間の間奏曲について・・・
「オペラは1幕50分あって、休憩があって、間奏、また物語が始まります」
と小松先生。
間奏曲はオーケストラの作品で、2幕ではホセがカルメンに愛を伝えます。3幕では美しい愛の心が入ったせつなさがあるとのことです。

演奏終了
団員たちの演奏はとても素晴らしく、キレのある迫力のフィニッシュでこの日の練習会を終えました。
団員たちは本当によく頑張ったと思います。

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そして最後に、今年度で卒団する団員とトレーナーによる6重奏です。
今年度でフルートの団員、ビオラの団員が卒団します。
曲はエドワード・エルガーの「愛の挨拶」です。
卒団生演奏
愛の挨拶のやさしく切ない音楽が大ホールに響きました。
本当に美しい曲です。
お2人が卒団するのはとても寂しいですが、またいつか一緒に演奏できる日がきっと来ますように・・・。

こうしてこの日の「総仕上げ練習会」が終わりました。
定期演奏会を開催できなかったことは残念でしたが、こうして文化会館の大ホールで演奏できたこと、またその演奏を、お世話になっている保護者の方をはじめ、関係者の方々に聴いていただけたことが嬉しく、私たちは感謝の気持ちで満たされました。

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「総仕上げ練習会」を終えた団員たちがホワイエに集まりました。
最後の挨拶です。

団長さんです!
団長さん
「今日は本当にお疲れ様でした。素晴らしかったです!来年度は通常通りの練習、定期演奏会ができることを願っています。募集のほうもこれまでコロナの影響でできませんでしたが、次年度からは団員の募集をしていきたいと思います。保護者のみなさま、日頃よりご支援、ご協力をありがとうございます」


そして、あまりに残念なのですが、チェロの丸山トレーナーが今年度でしばらくお休みをするという報告がありました。
丸山トレーナー
「今日は素晴らしい演奏でした。びっくりしました。私自身はいろいろな事情があり、ユースを続けたかったのですが、しばらくお休みさせていただきます。今後のことはまだわかりませんが、これからも皆さんを応援させていただきますね!ところで音楽っていいよね、と今日は改めて思いました。日本でも世界でも、音楽という場ではギスギスすることがないです。イライラしているところでギャ~っと弾いて楽しむ、ということもあるかもしれませんが(笑)。たとえば演奏を天国にいる作曲家に聞かせる、とか、そういうことができるのも音楽だけですよね。皆さんにはこれからも音楽を自分たちの宝として生かしてもらえたらいいなと思います」

丸山トレーナーには浦安ユースオーケストラの発足時からお世話になり、いつも楽しくも的確な指導で団員たちを引っ張っていってくれました。
浦安ユースオーケストラでは丸山トレーナーをこれからもずっと応援しています。そしていつか戻ってきていただけたらとても嬉しく思います!
丸山トレーナー、今まで本当にありがとうございました!!

続いて、今日の指揮をしていただいた小松先生です。
小松先生
「今日はとても楽しかったです。感動しました。今回は合奏する時間があまりなく、そういう場合オーケストラではなんとなくごまかす手段がないわけではないのですが、今回はとてもいい練習ができましたし、私自身いい経験ができました。先生方と卒団生の演奏もとてもよくてびっくりしました。曲が始まったとき、こんなことができる人間はすごいなと、改めて思いました。楽器を作るという行為も、曲を作ることも、演奏することも、です。今は機械でなんでもできるようになって人間が出来ることも限られてきていますが、音楽という人間ができることを、こうして若い人たちがやってくれています。皆さんは実感していないかもしれませんが、大人でも難しいことを皆さんはやってくれていますし、こうして若い皆さんが音楽を次につないでくれていることがありがたいです。今年度はバタバタしてしまいましたが、来年度はゆっくり時を重ねられたらいいと思っています!」

澤田トレーナーです!
澤田トレーナー
「今年度はコロナの影響が大きくてあまり活動できませんでしたが、今年度に培ったことを来年度につなげられたらと思います!今回合奏ができたのも、事務局の方が私たちが想像もつかないような努力で掛け合ってくれたからだと思います。大人の方が精力的に子どもたちのためにしてくれたことがみんなにも伝わっていると思いますし、感謝しましょう!来年度以降もよりよいユースの活動を続けていけたらと思いますし、春休みの後に皆さんに会えるのを楽しみにしています!今日はお疲れ様でした!」

高根トレーナーです!
高根トレーナー
「今日は演奏を一緒にしてくれてありがとう!楽しかったですし、毎度、楽しいです。ところで弦の子には言ったのですが、譜面に書かれている情報というのは、本来の情報の1割もありません。というのも先ほど小松先生が機械の話をされ、なるほどと思ったのですが、今やAIに作曲や演奏をさせることができる時代で、音楽家としてこれは生きた心地がしないというか、AIに取って代わられるのではと思うわけです。このことで友達と口論したこともあるのですが(笑)、行きついたところは、例えば私にそっくりな絵があって、その絵を見た時これが本当に高根の絵かどうか、ということは、その絵がどういう意図をもって書かれたかによって決まると思うんですね。たとえその絵が下手でも、人間が書いたことによってその絵は高根の似顔絵になるわけですし、AIが書いたものは、本当の意味で似顔絵ではないと思うんです。音楽でいえば、なぜここはフォルテなのか。ビブラートをかけていないのか。そういった、人にしかできない、なぜそれをやりたかったか、どんな気持ちがそこに込められているのか、ということを、その意図を、僕たち人間は大事にしたいと思います。芸術の本質を忘れないようにしていきたいと思います」

橋本トレーナーです!
橋本トレーナー
「何の話をしようかな(笑)。この後、団員募集の作戦会議がありますね。そのことにしようかな。ところで今回もそうですが、皆さんはいつも本場に強いですね(笑)。なぜだかはわからないですけど、それは素晴らしいことだと思います。本番にかける集中力に皆さんの心がけがでるというか、それぞれにこの音楽というもので何かやりたいことがあるのだと思います。それが皆さんを本番に強くしているんですね!で、戻りますが、この団が楽しく続くためには新しい友達を連れてこないと、ということですが、いろんなパートが必要ですね。若い人にしかわからないテンションのようなものもあると思いますので、ユースを盛り上げるために協力してほしいです。ユースは音楽も良くなっているし、これを絶やしたくないですね。今日は素晴らしい演奏をありがとうございます!」

青木トレーナーです!
青木トレーナー
「素晴らしかったです!今日は素敵なことがいっぱいありましたが、本番の強さに驚きました!そして今日はみんなよく動いてくれて、片づけの風景が嬉しかったです。こういうところもユースのいいところにしていきたいですね。そしてシティさんや保護者の方への感謝の気持ちについてですが、言葉にしなくても伝わる、ということもありますが、やっぱり言葉にしたいですよね。言霊という言葉がありますが、言葉にすると思いが伝わります。たとえば、『やればできる』と言葉にすれば、本当にできたりしますよね」

青木トレーナのこの言葉で、声に出して「ありがとうございます!」と皆でお礼を言いました。
この場にいない人にも届きますように・・・!


「それから、今日は団員募集の戦略会議です。ぜひいい案を出してください!今日はお疲れ様でした!」

最後に、今日卒団する団員からメッセージがありました!
卒団生あいさつ
ユースのある日曜日が一番好きで、オケの練習が本当に楽しかった。自分は下手だと思っていても、その楽器が好きだったら練習しているうちにうまくなるので、あきらめないでほしい。

団員たちはどんどんうまくなっていると思う。コロナが収まらないと思うように練習ができないかもしれないけれど、音楽を楽しんでほしい。

普段一人で演奏していたが、みんなで演奏することが楽しかった。
ここでの体験が、大人になってから楽しい記憶となって残ると思う。

思い思いのメッセージが団員たちに伝えられ、卒団生は残る団員のこれからを応援してくれました!
卒団してもまた浦安ユースオーケストラに遊びに来てくださいね!
浦安ユースオーケストラも卒団する皆さんのこれからを応援しています。
これまで本当にお疲れさまでした!

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今回の「総仕上げ練習会」の開催にご支援、ご協力をいただきました文化会館のスタッフの方をはじめとする関係者の皆さま、トレーナーの皆さま、事務局の皆さま、そして保護者の皆さま、本当にありがとうございました。
この場を借りてお礼を申し上げます。
これからも浦安ユースオーケストラをどうぞよろしくお願いいたします!
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そして番外編です・・・!

作戦会議

来年度に新しい仲間をたくさん迎えるべく、団員による広報戦略会議が開かれました!
団員たちによって忌憚ない意見が交わされ、なかなかいいところに着地できたのではないでしょうか♪
来年度の募集活動にこうご期待です。
団員の自主性に任された楽しい団を、これから浦安ユースオーケストラは目指していきます!

これを読んだみなさん、ぜひ楽しい浦安ユースオーケストラに来てくださいね♪